船橋のららぽーとで氣志團と握手!ありがとうKISSESッ!!
6月20日、船橋のららぽーとに腕時計とかパスケースとかを見に行ったところ、中央広場周辺に人だかりができていた。
「ん?五流マジシャンが、東急ハンズで購入した大学生の飲み会用レベルのお手軽手品でも披露してるのかな?」
などと思って2階から下にある広場をチラ見してみると、なんと舞台上にはまだ誰もいないにもかかわらず、1階にも2階にも人だかりができていたのだった。
常人が何も感知できていなくても、ある一部の生物が群れをなして異常行動をとっているような時、高確率でビッグイベントが起こるという。
例えば、巨大地震の直前に、クジラが大群で移動を行うのは有名な話だ。
「こりゃあ何かヤバいことが起こるぞ・・・」
俺はボソッとそうつぶやいた(心の中で)。
時刻は15:30、まずは情報収集をしようと、辺りを見回してみる。
俺は過去、名探偵コナンを7巻まで読破しブックオフに売り払った経験があるため、推理は大得意なのだ。
すぐさまヒントを発見する俺、さすが。
柱のポスターに、あの超カリスマ的ロックバンド・氣志團の新曲販売の告知が記載されている。
「え?うそ!?氣志團来ちゃう感じ?ここららぽーとだよ?しかも船橋の。」
千葉で生まれ育った俺には、ららぽーとが全国的に結構な有名ショッピングモールだという感覚が無く、氣志團がこの場に現れるということを信じることができなかった。
告知ポスターに「ららぽーとに氣志團参上!」みたいな分かりやすい文章が記載されていなかったせいもあると思う。
でも大々的に告知をしていたら、ららぽーと中の人間が押し寄せてパニック状態になり、イベント中止になっていた可能性もあるので、それはそれでよかったのかも知れないが。
さて、氣志團の登場を信じ切ることのできない俺は、前に並んでいる人に直接聞いてみることにした。
「すいません、氣志團来るんですか?」
広場が見えるように前に並ぶ二人の間に陣取っていたため、前列の左右に並んでいた二人が両方とも振り返り、親切に答えてくれた。
幸運なことに二人とも氣志團のガチのファン(氣志團のファンのことをKISSESと呼ぶらしい)であったため、イベントの詳細を教えてもらうことができた。
・氣志團がマジでららぽーとに現れる
・新曲も披露してくれる
・振り付けもレクチャーしてくれる
・CDを買うと氣志團とジャンケンができ、勝つとサイン付きポスター、負けるとポケットティッシュがもらえる
とのことだった。
「うわぁ、マジで生の氣志團を見れるんだぁ」
そう思った。
俺は別に氣志團の大ファンではないが、なんとなく好感は持っていたので、すごく嬉しかった。
女性芸能人で言うとベッキー、食べ物で言うと茶碗蒸しに対して俺が抱いている感情に似ている。
追っかけようとまでは思わないが、出会えたら出会えたでかなり嬉しい。
自分で買おうとは思わないが、人の家や給食で出てきたらかなり嬉しい。
KISSESのみなさんからしたら失礼かもしれないが、率直に言ってそんな感じだったので、無料の新曲披露などだけ見させてもらって、CDを購入しなければならないジャンケンイベントが始まったら即去ろうと考えていた。
しかし、結論から書くと、この俺のもくろみは「氣志團のオーラ」「新曲の良さ」「KISSESの優しさ」にボッコボコにされ、CDを買ってジャンケンイベントにも参戦することとなった。
俺が前列の二人にイベントについて尋ねたのをきっかけに、氣志團登場予定時刻の16:00まで少し三人で雑談を交わす流れになった。
前の二人も知り合いではなかったみたいだったが、KISSES同士ということですぐに打ち解けていた。
そんな中俺が、別にファンではなくCD購入の予定もないことを伝えると、なんとその氣志團の新曲「Don’t Feel, Think!!」のCDをプレゼントしてくれた。
こ、これが布教という奴かッッッ!!!
イベントではCD1枚につき一人のメンバーとしかジャンケンできないし、どのメンバーとジャンケンできるかはくじ引きで決まるので、全員のサインをコンプリートしたり、目当てのメンバーのサイン入りポスターをゲットするには複数枚のCDを買う必要があるため、CDが余ってしまうとのことだった。
とはいえ、余分なCDは売れば多少のお金にはなるのだし、初対面の男にやる義理なんて全くないはず。
俺はそんな経験初めてだったので何となく悪い気がしたのと、親切にしてもらったので少しでも恩返ししたい気持ちとで、財布を出して支払いの意思を見せた後、「いや、いいですよ」と言われて素直に財布を引っ込めるという、おごられ慣れているOLのような行動をとってしまった。
そんなに気にすることでもないが、余計なことせずに最初から快く受け取っておけばよかったかな・・・。
さて、ここまでえらい長くなったが、そんなやり取りをしているうちに氣志團の登場する時間がやってきた。
マジで来ちゃいましたよ!氣志團!!!
生で見た翔さんはテレビで見るよりもスラッとしていてカッコよかった。
というか、メンバー全員カッコイイ!
見た目はあんなにイカツイのにトークには気さくさがあふれていて、人間としてすごく魅力的だ。
そういえば、ファンとアーティストは似てくると聞いたことがある。
氣志團のファンであるKISSESのみなさんも服装などの見た目は多少スケバンチックだったが、上述の通り非常に優しかった。まるで氣志團のように。
そんな氣志團とKISSESの創り出す空間は、一般ピープルの俺にとっても非常に心地が良かった。
新曲披露の後、氣志團による振り付けレクチャーが始まった。
正直、一人で来てショッピングモールで初めて見る振りを踊るのには抵抗があったのだが、前のKISSES二人が周りの人に十分に配慮しながらも完コピで、なんならちょっと食い気味で踊り狂ってくれたので、自分も体を動かして楽しむことができた。
きっと「氣志團のために場を盛り上げたい」という気持ちもKISSESさんたちの中にはあるのだろう。
ファンの鑑だ。
氣志團の盛り上げ方も流石で、周りのファンではなさそうな人たちもすごく楽しんでいる様子だった。
氣志團やKISSESが上手く盛り上げてくれなかったら、俺は大仏のように無表情でノーモーションだったかもしれない。
さぁ、そんなこんなですっかり氣志團に魅了され、衝動を抑えきれなくなった俺は結局自分でもCDを買い、ジャンケンに参戦!CD自体買ったの久しぶりだ。
まずはメンバーの誰とジャンケンができるのかを抽選で決める。
抽選の結果、俺は白鳥松竹梅さんとジャンケンができることに。
非常に申し訳ないのだが、俺は氣志團のメンバーの名前は綾小路翔さんしか知らなかった。
氣志團とKISSESのパフォーマンスに乗せられて、その場で購入・参戦を決意したのだから仕方が無い。
俺の後ろに並んでいた40代~50代くらいのおじさまに話しかけてみると、そのおじさまも氣志團には詳しくなく、ノリで参加したとのこと。
おじさまを乗せてしまう氣志團もすごいが、このおじさまのフットワークの軽さも素晴らしい。
こう書くと、
「じゃあ勝てなくても別にいいし、負けてもそんなに悔しくないね。」
と言う人がいそうだが、俺は自分でもちょっと信じられないくらいめちゃくちゃ勝ちたかった。
「勝ちたくないのか!?」
と聞かれれば、
「勝ちたいです!」
と叫んでしまうであろうほどに。
俺は、「Don’t Feel, Think!!」「感じるな、考えろ。」の歌詞の通り、松竹梅さんの出し手を出来る限り研究してみることにした。
列に並んでいる間に他の人との勝負で松竹梅さんの出した手を記憶する。
すると一手目はパーがかなり多く、次いでグー、チョキは一手目に限らず、確認できた十数回で一度しか出していなかった。
となると一手目でチョキを出せば勝ちやすい、が、次に確率の高いグーを出された場合には負けてしまう。
ならば一手目で勝負がつかずとも、チョキを出す確率は非常に低いのだから、パーを出し続けて相手のグーを待つ方が良いと俺は考えた。
つまり、「ずっとパー出しまくり大作戦」である。
さて、作戦も決まり列は順調に消化されていった。
列に並び始めてから気付いたのだが、参加者は自分がジャンケン出来るメンバーと握手もすることができるようだった。
壇上の氣志團メンバーに近づくにつれ、鼓動も高鳴ってくる。
こんな有名な芸能人と接触するのなんて、初めてかも知れない。
そして・・・・・俺の番!!!
緊張の中握手をしてもらい、ついに勝負の時!
「最初はグー!ジャンケンポン!」
俺→作戦通りの「パー」
松竹梅さん→「パー」
よっしゃあ!読み通りッッッ!!!
「あいこで・・・ショ!!!」
俺→作戦通りの「パー」
松竹梅さん→「パー」
2連続あいこッッッ!!!
ここまでは読み通り・・・しかし、俺の中の悪魔がささやく。
悪魔:「3連続でパー出す奴なんていないぜ?相手はお前の2連続パーを見て、チョキで勝ちに来るはずだぞ!オヒョヒョムヘヘヘボホホホオホホ!!!」
俺:「うるせぇ悪魔がっ!俺の信念はそんな言葉じゃあ揺らがないぜ・・・」
「あいこで・・・ショ!!!」
俺→まさかの「グー」
松竹梅さん→「パー」
・・・ 完 全 敗 北
そしてゲットしたのがこちらのポケットティッシュである↓
そしてここで一つ皆さんに謝らなければならないことがある。
ごめんなさい、嘘つきました。
本当はジャンケンの最中にこんなに冷静に考えることはできず、氣志團メンバーとの握手に緊張して「ずっとパー作戦」を忘れ、気づいたらグーを出して負けていました。
これがパンピー(一般ピープル)と超一流芸能人との差か・・・
白鳥松竹梅さん・・・3連続でパーを出してくれるなんてどう考えても負けてくれようとしている人の出す手だ。
優しい・・・そして勝てなくて申し訳ない。
今回は考えに考えた末に、精神力が足りずに負けた。
いや、「初めて超有名芸能人を相手にすればプレッシャーを感じる」というところまで考えが至らずに負けたのか・・・?
その部分も反省点として考え抜き、今後の人生に活かしていこうと思う。
しかし、正直めちゃくちゃ悔しいw
作戦を決行できていれば勝てたかも知れないのに・・・
今これを書いている最中も悔しさがまだ残っている。
「悔しくないのか!?」
と聞かれれば、
「悔しいです!!!!!」
と叫んでしまうであろうほどに。
ていうか、今この記事書いてて気が付いたんだけど、「Don’t Feel, Think!!」の歌詞に出てくる通りの行動やら感情にさせられているね。
それを見越してこのイベントを考えたのだとしたら、凄すぎる。
まぁちょっと敗北の悔しさを盛って書き過ぎたけど、実際はトータルでいえば大満足!
ティッシュも十分記念になるし、握手もしてもらえた。
なにより楽しかったので、このイベントに参加して本当に良かった。
良い曲だと自分が思えたCDを購入してこんな特典が付いてくるのだから、お得感満載である。
唯一の後悔は、初めの方でいろいろ教えてくれたり、CDをプレゼントしてくれた二人のKISSESに、俺が二人の影響でCDを購入し、ジャンケンにまで参戦したという事実を伝えられなかったことかな。
(二人はすでにチケットを持っていたので、ジャンケン開始と同時にすぐに行ってしまった)
直前まで俺にCD購入を勧めてくれていたので、ファンではなかった男が二人のおかげでイベントを最後まで楽しんだことを伝えられたら、さぞ喜んでもらえただろうに。
このブログに辿り着くことはまぁないでしょうが、にわかの私に親切にして下さったお二方、本当にありがとうございました。CD買ったよ!
ちなみに、頂いたCDと自分で購入したCDとで2枚になってしまったので、余ったCDは氣志團を好きになってくれそうな友達に布教としてあげようと思う。
心優しいKISSESにせっかくもらった品なので保存しておこうかともちょっとだけ考えたが、それこそがKISSESの恩に報いる最良の方法なのだろうと、勝手に思っている。
それと、今回の出来事をきっかけにもっと氣志團の曲を聞いたり、ライブDVDを見たりしようかなと考えている。全部一気買いは厳しいので、Yahoo知恵袋などで検索して、おすすめからそろえていこうと思う。
ではまた。
【余談】
イベント終了後、本来の目的である買い物を済ますために、ららぽーと館内をうろうろしていたところ、ジャンケンの時に一緒に並んでいたおじさまと再会!
話を伺ってみると、おじさまもジャンケンには負けてしまったとのこと。
「ノリで参加したのに負けちゃったよ。」
と話すおじさまの後ろで、奥さんが爆笑していました。
KISSES同士のみならず、超絶にわか同士にも絆が芽生えた瞬間でした。
~完~